書きたいことを書きたいだけ。

とある会社員の生活記録。

IT業界の就活に関する所感

実際に就活を終えて、 振り返ったときの所感です。

今後、自分と同じような境遇の方がこれから就活を進めるにおいて少しでも参考になると幸いです。実際に自分が歩んだスケジュールと感じたことをツラツラと書いていきたいと思います。

 

自分のスペックは

  • 地方国立大学大学院

  • 学部も院も情報系

  • 学部も院も同じ大学

  • 現役合格、留年なし

  • TOEIC700点前半 です。

夏冬インターンに8社行って、最終的に内々定は4社です。途中辞退も何社かありました。

 

年間スケジュール

スケジュール
5月 東京の合同説明会に参加、基本情報取得、適当なアプリ作成
6月 インターンの申し込み
7月 インターンの面接
8-9月 インターン本番
10月 秋冬インターン申し込み、Web系企業の本番
11月 秋冬インターン本番、外資系ES
12月 外資系面接
1月 インターン参加企業の特別セミナー、外資系面接
2月 インターン参加企業早期面接、外資系合否
3月 一般企業プレエントリー、インターン参加企業面接と合否
4月 内々定承諾

所感

はじめに

就活を終えて感じることは、インターンシップが大事だと言うことです。 (自由応募で行く場合)

就活がインターンシップで決まると言っても過言ではないと思っています。 志望企業を早い段階で絞っておいて夏or冬インターンに参加する事が志望企業に行ける近道です。 その為にもインターン選考対策を早い段階から行っておくべきです。

SIer業界のインターンに4社参加して、その内1社は3月の段階で内々定を貰いました。

主にIT業界しか見ていないので他の業界の事は詳しくありませんが、 IT業界におけるインターンに参加すると、「特別セミナー」という名目だったり「マッチング」という名目だったり 様々な名目で3月の解禁前から就活を進めることが出来ます。

また、選考ルートもインターン組と非インターン組で分かれており圧倒的にインターン組の方が内々定を貰いやすいです。 例えば某SIer最大手の場合、推薦4割インターン4割自由2割とも言われています。 つまり就活が始まって自由応募で行こうと思ってもかなり厳しい戦いになります。 それならば、夏のインターン対策を行いインターンルートに乗るほうが内々定の確率が高くなります。

ただ、気をつけておくべきはインターン参加することによって内々定の確率が高くなる」だけです。 インターン参加できた=内々定が貰えるとは限りません。 現に自分もインターン参加した企業に落とされています。

しかし、だからといってインターンに参加しないのは愚の骨頂だと思います。 少しでも確率を上げておくことが内々定への近道なのは間違いないですから。

就活感

IT業界において外資系は特殊ですが特に日系SIerは下請け業界と言われているので、新卒では大手に入りたい気持ちが強かったです。
SIerにおいて下に入ると上には余程のことがない限り上がってこれないです。結局、大手のSIerに中途で入った人は別の大手からの転職の人が多かったです。そもそも新卒のまま続けている方が大多数ですが。

それならば人生に一回の新卒カードは、新卒カードを使ってでしか入りにくい場所に入るほうが打算的です。 実際に受けていた企業もSIerの売上順に受けていました。
Web系やベンチャーも見ていましたが、中途の方がとても多くわざわざ新卒で行く魅力を感じませんでした。 もし将来やりたいことが出来たらその時点でベンチャーに行けばいい話ですから。 もちろん最初から自分がこんな事やりたい!それを出来るのはこの企業だけ!でベンチャー入るのは全然ありだと思います。
大企業特有のの書類作業やら承認に時間がかかるとか無駄な作業も無いと思いますし、 それが自分の夢を達成する近道だと思います。

しかし、何の考えもやりたいこともなく入るのは本当に新卒カードの無駄遣いだと思います。
これから40年ぐらい続く社会人生活において選択肢を捨てています。
会社が合わなければ転職したらいい、とかネットで見かけますがそもそも最初の会社が大手ではなければ転職先が狭まるはずです。 それならば最初から大手行くほうが潰しが効きます。

ここで書いた就活感はあくまで自分が就活中に考えていたことです。
この考えを強制するわけでもありませんし、ましてやこの考えに対して批判的コメントも求めてないです。

じゃあインターンに行くためには?

就活においてインターンが大事っていうのを連呼しまくったので、 そのインターンに行くために大事なことで個人的に感じた事を書いていきたいと思います。

1. 業界研究と企業研究を済ませておく

特に夏インターンの場合は顕著ですが、周りの人と比べて差が付きやすい時期です。 知識を入れておくと、面接で「なんでうちのインターンに来ようと思った?来てどんな事を学んで帰りたい?」と突っ込まれても対処できるようになります。
また実際のプロジェクトとかやっていることを挙げてみると結構効果的です。

IT業界に関する知識

・業界全体の売上
SIerとWeb系の違い
SIerの中でもユーザー系とか独立系の違い
・開発における流れ

その企業に関する知識
・IT業界の中でSIer?Web系?
・ユーザー系?独立系?
・実際に行っているプロジェクト
・売上の海外比率

2. ESや面接で喋れる話題と構成を考えておく

日系SIerの面接とかESなんて大抵ほぼ一緒です。 一回ここを本気で考えておくと就活本番まで使い回せるので真剣に考えたほうがいいです。

聞かれる内容としては
・自己紹介
・自分の強み
・学生時代頑張ったこと
・チームで頑張った経験
・研究内容
が王道です。ただ、注意するのは結論ファースト。 そして、たぶん企業は頑張ったことに対して「バイト頑張った」とか「サークル代表頑張った」とかだけは求めてないです。 いちばん大事なのは
(結論)バイト頑張った

(問題発生)具体的にこんな事が起きて苦労した

(解決法)こういう取り組みを行ったり、チームに対して働きかけた

(結果)そのおかげてこんな結果や改善が出来た
という流れです。要は問題に対してどう取り組んだかの姿勢が一番大事です。 エピソードなんて何でもいいです。自分の場合は
研究頑張った→先行研究少ない→別分野の論文読む、教授に相談、諦めなかった→結果が出た
っていう流れを何回言ったかわからないぐらい面接で言いました。

3. 何か制作物を作っておく

何かアピールできる制作物があると楽に会話が進みます。 規模なんて正直どうでもいいです。
日常でこんな事困っていたのでこんなアプリ作ってみたとか。
研究室のWebサーバ建ててみたとか。
最新技術試すためにこんな構成でサーバ構築したとか。

実際になにか1つでもアウトプットを作っておくと、 ちょっとした技術力のアピールにもなりますし自主的に取り組む前向きなやつって評価されやすいと思います。

外資SIer受けたときは面接中に自分の作ったWebアプリを面接官のパソコンで開いて それについて語っていました。そこは内々定貰いました。
こんな感じに何が起こるか分からないので、何か1つでもアウトプット作ると話のネタが出来ます。

4. 面接は会話

面接は面接官が笑ったら受かるといいますが、正にその通りだと思います。 一方的にアピールするだけじゃなくて面接官に話をふってみたりするのも全然いいと思います。
緊張するのは仕方ないけど、楽しんだほうが得です。
ちなみに結局インターンから本選考まで通して、「私」「御社」は使わず
「僕」「○○(会社名)さん」で通し抜きましたけど大丈夫でした。 最近東大生京大生の人気就職先1位の会社にも内々定もらったので、 大事なのは会話をすることだと思ってます。

IT業界

一口にIT業界と言っても、その中に様々な業界があります。
個人の所感でこれらの特徴を述べていきます。

SIer

よくネットとかでITゼネコンとか言われて叩かれている下請け構造の業界。
最近では、SIerはオワコンとか書かれているが果たして本当にそうなのか疑問。一体何年前から同じこと言い続けてるのと聞きたい。
10年前の就職版にも同じこと書かれてたのをみた気がする。
実際の主要なSIerの売上を見ていると未だに伸び続けているし、経営陣も下請け構造から脱却しようと 単に言われたものを作るだけでなく付加価値を高める試みを行ったりしている。

以下は戯言と思ってもらって構わないけど、
日本社会が終身雇用となっているため、中小企業は社内で開発まで行える十分なエンジニアを雇う余力が少ない。(そのまま永久的な人件費コストになるため)
大企業に関しても大規模なシステムを自社で開発・維持出来る沢山の人材を雇用するというのはリスクが高すぎる。
そこで社内SEという要件や問題だけを纏めたり、IT化の指針だけを策定する最少人員を企業は雇う。
社内SEに対してSIerが立ち回り、企業はSIerにお金を渡すだけでシステムの提供を受ける。
また、SIer自体も社内で開発を行える人材を雇うのはコストがかかりすぎるので中国や別の開発専門の子会社を使う。
こういう構造になっていると感じる。 最近ではパッケージをそのまま導入とかもあるけど、結局中小企業はその導入すらSIerに頼らざるを得ないので、SIerが消えることはまぁ無いと思う。
むしろ日本の企業のIT化を支えているのがSIerであり、日本がまだIT後進国で済んでいる事を瀬戸際で食い止めているイメージ。
SIer無くなったら日本はIT化を進めることが出来ないのではなかろうか。

ちょっと話が逸れたけど、SIerにもユーザー系、独立系、メーカー系などが存在する。これらは元となった会社が関係している。
詳しい説明に関してはぐぐればいくらでも出てくると思う。
BtoB企業であるため、正確な見積もりとか納期を決める必要がある。
また、大規模なシステムになると社会的責任が重い。例えば利子の計算の繰り上げ繰り下げ間違えると1人につき1円の違いでも1000万人も居れば1000万円も損失が起こる。というか風評被害的に1000万円では済まないので信頼性を求められる。
人月工数をやめようとか聞くけど、それ以外に正確に納期を出せる方法はあるのだろうか?
納期が適当でいいならなんでもいいと思うけど納期を求めている側(顧客とか社会)が人月工数やめようって言ってもお門違い。

Web系

日本ではYahooとか。Webサービスを主に提供しておりCtoCが売上の割合を占めている。ただしBtoBも普通にやっている事もある。
比較的最新の技術を使っていることが多い。個人的には信頼性をそこまで担保しなくてもいいからと考えている。
社会にあれば便利だなー、って思うものを作ってそれを公開して稼いでるイメージ。ざっくりだけど。
自社内で開発を行い、ガリガリとプログラムを書いている。
その為、凄腕エンジニアがいる割合が多いと思う。
SIerはどうしてもマネジメント寄りになってしまうので、技術を身につけるならば間違いなくWeb系。
その為、技術を持っているから転職を繰り返している人が多い。
逆に言うと技術さえあれば職には困らない。

社内SE

これは企業による。自社システムを自社SEでゴリゴリ開発している会社もあれば、要件を纏めて開発はSIerに任せるとこもある。
そもそも某鉄鋼会社の親会社と子会社の仕組みとか。
ただ、要件を纏めるといっても実際に現場とか工場に出てヒアリングを行い適切に潜在ニーズやら問題を掘り起こす必要がある。
だからといって技術を疎かにしていいわけではなく、SIerとやり取りするときとか、将来AI化する為にどのようなデータを集めておく必要があるかの知識は絶対必要だと感じる。
システム開発において重要なのはやはり一番最初の要件の部分だろう。(これは面接とかでも聞かれることもある)
よく思っているのは、ある地点に向かう時に最初に1°ズレただけでも目的地に到着すれば全然違う所にいるということだ。
最初がしっかりとしていれば目的地に到着してもズレは少ない。

就活スケジュール詳細

前半(4-7月)

何か資格欄に書くために基本情報を4月に受験。情報系ならちょっと勉強すれば取れると思う。
5月頃は合説に参加して、具体的にどの企業があるのかを調べた。
特にBtoBの企業がやっている事なんか最初はなかなかイメージつかないので合説おすすめ
特に企業のブースに行くとプロジェクト内容を喋ってくれる事が多いのでイメージは付きやすかった。
就活全体を通して2回位は合説にいって幅広く企業を見る日があればいいと思う。
またこの頃からインターンシップを意識し始めて、喋る話題作りの為のアプリ作成を開始。
その後はESやら面接やらGDやら。夏の時期のGDはまだ学生のレベルも低いので、早めに対策しておくと無双しやすい。
ただこの時期から動いている人はそれなりに意識が高い人が一定数いるので負けないように注意。
後、申し込めるだけ申し込んだほうが得。上から順に申し込んで、受かれば行けばいい。
そもそも、本選考より倍率自体が高いところもあるので、変に選りすぐってするよりも業界絞った上で受けまくった。

中盤(8-10月)

インターンシップ本番。単純に色々な人と交流が持てて楽しかった。
ただインターン中の評価が本選考まで響いているところが大多数なので、気は抜けない。
普通に本選考のときのルートが、インターンシップの評価によってルート変わったりもあったので注意。
また、就活に関する情報を色々手にすることができる。
就活はまじで情報戦、インターン仲間が先に面接受けたらその情報貰えばいいし、逆にOB訪問とかで聞いた内容は仲間に教えるとか。持ちつ持たれつついい関係を保とう。
就活終わった今でも、班が一緒だった人と飲みに行ったり交流自体も続いている。
10月頃になると秋冬インターンの申込みが始まるので、抜けがないようにしっかりと申し込む。
後、あまり興味がない業界でも行けるなら行っといたほうがいい。
なぜなら、本選考で喋る時に「この会社とこの会社のインターンを行った上で比較して御社が第一志望です」みたいに論理的に話せるから。
これが単に「御社が第一志望です」だと何で第一志望なのかちょっと理由が薄くなる。
しっかりと「こういう点とこういう点で御社が優れている」っていうアピール大事。

後半(11月-1月)

秋冬インターンの本番。
平気で平日にインターンぶっ込んで来るので前期のうちに授業は取りきろう。
あと、Web系で経団連に参加していない企業とか通年採用行っている某社はこの時期から本選考が始まっている。
11月頃から外資SIerの本選考第1タームも始まるのでこれも応募しといた方がいい。
ここで外資SIer受かると1月には内々定貰えるのでめちゃくちゃ気が楽。
行くつもりがなくてもやはり1個内々定があれば自信につながるのではなかろうか。
また、夏インターン参加した企業が囲い込み目的のセミナーとかを開催するので参加しよう。
セミナー限定情報とか多々あるし、単純に回数も見られていると思うのでログインボーナスみたいなもの。

本選考時期(2月-4月)

2月頃になるとインターンに参加した企業が様々な名目で面接を始めます。(経団連の都合で「面接」とは明記できない)
ただ、インターンルートに乗っているので圧倒的に普通のルートに比べれば選考回数も短いし楽です。
また、みん就とか外就に過去の情報書かれているので参考にしつつ挑みます。
やっぱり受かっていれば連絡は次の日とか2日後が多かったかな。
3月にはエントリー解禁になるけど、外資系で内々定持っていればそこまでエントリーする必要ないかと。
最後まで気を抜かずに、先に受けた人の情報を得たりすべし。

終わりに

色々と書いてきましたが、インターン中は毎日飲み会だったり、東京に行っても飲み仲間が出来たり楽しかったです。
就活本番中も何かと理由をこじつけて飲み会だったりと楽しんでた気がします。
D進する人以外は就活すると思うのでしんどい思いするぐらいなら楽しんだほうが得じゃ無かろうか。

ちなみに東京滞在日数を今数えてみるとこの1年で約40日でした。行った回数としては15回ぐらいかな。単純に新幹線で行くと往復3万かかるとしても45万はかかるので、交通費が出る企業狙っていかないとしんどいです。
自分の場合はほぼ(交通費がでず、宿泊費も出ない某企業があった)どの企業も交通費支給してくれたので交通費代に関しては掛かっていません。
それよりも、向こうで飲み会とかちょっとした時間つぶしのネットカフェとかのお金はかなり掛かってますね。

少しでも後輩達の就活の参考になれば幸いです。