「阪急電車」を読んだ。
読んだのはこれです。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: 文庫
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有川浩さんの阪急作品。
阪急電車といえば関西の有名私鉄で、北側から順に
「阪急・JR・阪神」
となっており、この順番に治安も悪化していくそうな。
関西にいる身としては阪急の特に神戸線沿線に住んでいる人はお金持ちのイメージ。
本作はそんな阪急電車を舞台に描かれた小説です。
著者の有川浩さんが阪急電車の今津線沿いに住んでいるらしく近所をモチーフにしています。
関西にいる人ならば知っている駅名とかバンバン出てきます。
作中に某大学と書かれている所も調べずとも分かる人も多いと思います。
作品は複数の視点が切り替わりながら進んでいきます。
そして阪急電車内で人々のちょっとした交差が描かれています。
各章には今津線の駅名が付いており、西宮北口と宝塚の往復で表しています。
植物図鑑を読んだ時にも感じたのですが、各章の進め方が独特の様に思います。
本であるから表現できるというか、章の名前と物語が密接に関係していたり。どっちか言うと阪急沿線がメインでプラスアルファで恋愛のようにも思ってしまいます。
ただ、それが面白さというものなのでしょうか。
阪急沿線という軸に恋愛やその他ストーリを絡ませることで芯がある物語となっていると思います。
ただ、なんで急に付き合うんや!っていうよく分からない展開もあったりこの辺りはらしいっちゃらしいです。
図書館戦争みたいに1人の視点から常に物語が進行したり、恋愛に関してはズルズル・・・みたいなのもめっちゃ面白いとは思うのですが。
あと思ったのは、有川浩さんは観察力がすごいのでしょうか。普段ぼーっと過ごしている電車内も確かに見渡してみれば色々な人がいる事が分かります。SFとかではなく、日常のちょっとしたことを観察して物語を作るのが凄く上手いです。
ほっこりのんびりと読めた小説でした。