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とある会社員の生活記録。

「終身雇用は難しい」発言は日本の将来を鑑みると英断であると考える件。

最近、経団連然りトヨタ然り日本において終身雇用が難しい発言で様々な議論を呼んでいる。
私のような社会に対して何の影響力を持たない人間と、大組織のトップに立ちリーダーとして振る舞っている人では発言の影響力が全く違う。
しかし、そのような方々から「終身雇用は難しい」という発言が出たのは英断であると考えている。

従来、日本は終身雇用型社会として一度会社に入れば安泰とされていた。
もちろん、数字が示すようにそのような形態でも日本企業がグローバルの時価総額ランキングでも世界においてトップ30に多数入っていた時代もあっただろう。
バブルの影響があったにしろ終身雇用型でも世界で通用していた時代だ。
しかし、今はどうだろう?
日本でトップのトヨタですら2019年現在は世界で45位という現状だ。
時価総額が企業の格をそのまま表しているとは全く思っていないが大きな指標にはなるだろう。
さらに、このまま少子高齢化が進み2025年ごろに団塊の世代後期高齢者になる頃には増税をしなければ従来の社会保障は破綻するだろう。
ではどのようにすれば社会制度は破綻せずに発達していくことができるのか。
それはやはり企業の成長もしくは経済の活性化が求められるのだろう。
そしてそのためには企業間競争が求められていく。
企業間競争をしていくためには一人あたりの生産能力を高めなければならないし、そもそも無能な社員をおいておく事は無駄でしかない。
これが新人社員や若手だと投資扱いで、教育にかけた費用以上にお金を稼ぐことが求められる。(IT、特にWeb業界に関しては学生から凄い人は凄いが。)
これが、40歳50歳になっても自分の人件費+諸々のコスト以上の利益を出さない人は営利企業にとっては無駄でしか無くなるわけだ。企業間競争を高める=終身雇用は終わる、という方程式が出来上がる。
GAFA企業などを例に見てもいいかもしれない。これらの企業の平均勤続年数は2年や3年というデータがある。終身雇用とは正反対に位置する会社だろう。
しかしこれらの企業は時価総額はどれほどのものだろうか。今のトヨタの5倍以上はある。
企業が儲けているということは法人関係の税金も入ってくるわけで日本政府の財政的にも有り難いだろう。

感覚的には日本人誰もがこのまま行くと日本は破綻するとは分かっている。特に年金関連はシビアな問題ともなっている。
それなのに、増税するというと猛反発があり、何かを改革をしようとすると猛反発が起こる。
これらは自分が安泰な場所にいたい、自分の利権は守りたいなどの意思が働いている。
すこし話が逸れるかもしれないが、このような問題は明治維新がいい例となる。
倒幕を行いたい側と旧幕府側の戊辰戦争。常に既得利権を持っている側はそれを守ろうと必死なのである。
時には既得利権(終身雇用)を持っている人をばっさりと切り捨てる覚悟がいるのだ。
最終的には明治維新が起こって日本が大国になったことは歴史を振り返れば明らかだろう。

日本の終身雇用も今まさにそれと同じことが起こっているのではないだろうか?
終身雇用で安泰を得たいと思っている既得利権側。それに対して改革を行いたい企業側。
今後の日本を考えるなら、潰れる企業は潰れてしまえばいいとは思う。
終身雇用なんてやめてしまって企業間競争の時代になるべきである。
Googleが出来上がった裏では米Yahooや様々な検索サービスがことごとく終了していった如く。
その中で強い企業が生き残り、世界にも通用する企業が出てくればいいだけの話なのである。
そして税金を沢山収めてくれればいいのだ。
このままダラダラと続けていってもいいことは無いはずだ。それならどこかでバッサリと終身雇用をやめて転換したほうがいいかもしれない。

ありとあらゆる所に話が逸れたので表題の件に戻るが、「終身雇用は難しい」発言は英断であると考える。
大企業のトップがこの発言を行うには様々な苦悩があったと思う。理想的な社長であれば「終身雇用、福利厚生、給料アップ」など綺麗事を並べていればいいのだから。
しかし世の中はトレードオフの関係である。今回の場合は終身雇用と日本の将来だろう。
将来を考えるなら終身雇用は諦めようという事だろう。
また、トップの立場で「終身雇用は難しい」等と悪いことを伝えるというのは本当に難しいと思う。
これだけばっさりと判断を行う人が一体何人いるのだろうか。
最悪自分の立場ですら危うくなるかもしれない。それでもこの発言を行ったのは日本の将来を鑑みると英断であると考える。